Method#016

ウェーディングにおける危険性

(この項はウェーディングをされる方は絶対に最後まで目を通して置いてください。
ちなみに何があってもシーポリは責任を負いません。)
ウェーディングとは海の中に入水して行う釣りなので
当然、陸からの釣りと比べ危険度も増し、
熟練者といえども不慮の事故で命を落とす事もあります。
wading


ウェーディングにおいて主な危険事項は

  • 1.高波
  • 2.地形的変化による陥落
  • 3.干満の差による戻るルートの喪失
  • 4.エイに刺される
  • 5.サメなどにかまれる
  • 6.フックが刺さる
  • 7.落雷
  • 8.低体温症または熱中症
などが上げられます。

この内釣り人に最も恐れられているのがアカエイです。
ray

東京湾では毎年3月頃
冬場に深場に行っていたアカエイが干潟に集まってきます。
この時期は冬から春に移り変わる時期でもあり、
春一番以降に急激な水温の上昇と共に
アミ、バチ、チアユ、イワシ、エビ類といった豊富なベイトが次々と干潟に現れ、
それを餌としてアカエイが多く集まり
初夏の産卵時期まで浅海域に停滞します。

アカエイは普段は大人しく砂の中に半分身体を隠し
近づいてくる餌を待ち構えていますが、
エイのいる事に気付かない釣り人が踏んだりして興奮させると、
尾びれの付け根付近にある毒針で刺してきます。
トゲはノコギリの様にぎざぎざで
傷口を広げなかなか抜けないようになっています。
刺されて10分もすると刺すような激痛に見舞われ、
傷口の周囲は紫色に膨れ上がり、
「血圧低下」、「呼吸障害」、「発熱」などの症状が出て
運が悪いと死に至ります。

万が一刺された場合は、
トゲを抜き、毒を吸出し、お湯に浸けて毒を中和させます。
しかし、干潟で釣り人がエイに刺されるという状況を考えると、
刺されるのは大抵1kmも2kmも沖まで出て行った後ということが予想されるので
傷を負った状態では陸地まで戻れる保障はありません。

そこでその予防策として、
対エイ用プロテクターを装着します。
今現在、日本国内で市販されているものは
「パズデザイン/レイガード」
「ガストン/エイガード」
「リトルプレゼンツ/エイガード」
などがあります。
(ちなみに私は海外メーカーのものを使用していますが
効果に確証が持てないのでここでは紹介しません。)
どれもエイのトゲを100%完璧に防ぐというわけではないようですが
怪我の軽減のためにも、精神衛生上のためにも装着した方がよいでしょう。
もし、エイを予防するグッズを持っていないなら
3〜6月の間はウェーディング捜査に出ない事をオススメします。


また私がエイ以上に恐れているのは落雷です。
釣り竿はその多くが非常に帯電し易いカーボンで出来ています。
ウェーディングは数キロ沖に出て行うので、
雷がなってもすぐには陸地にはたどり着きません。
周りは海で海面より高い位置にあるのは釣り人だけです。
このような状況で雷が発生すれば高確率で釣竿に落雷します。
実際に私は以前二度ほど雷の発生を経験しており、
そのときはロッドが帯電し、スターウォーズのライトセイバーのように
ブォーン、ブォーン奇妙な音を発しておりました。
あの時は岸に着くまで生きた心地がしませんでした。
雷の発生しやすい時期や気圧配置の時は
いつも以上に警戒して捜査にあたり、
もしも雷が近くで鳴り出したらロッドを捨てる覚悟を持ってください。


さらに今冬経験したバカみたいな話なんですが
東京湾で低体温症になり、実際死にそうになりました。
その日の気温は2度で雪の降る予報でしたが
アンダーからトップまで雪山仕様なので
なんてことはないだろうと捜査にでました。
しかし、3時間くらい捜査を続けていると
次第に手の感覚がなくなりカメラのシャッターも押せないほど
握力が低下しました。
被っている帽子も重いと感じるほどの頭痛に襲われ、嘔吐しました。
今思えは低体温症になっていたのだと思いますが
それでも魚が釣れるものだから更に二時間ほど捜査を続け
気付いたら両手が凍傷になっていました。

「極寒の湖や川のウェーディングなら分かるが
何で東京湾ウェーディング位で凍傷になるんだ?」


と不思議に思う方もいると思われますが
考えれば当然のことです。

干潟のウェーディングは湖や川と比べ歩きます。
釣りを始めるまで負荷の掛かる水中を一時間ほど歩くため
ポイントにつく頃にはどんなに高性能な透湿性素材のウエアを着ていても結露します。
その上、登山のように常に身体を動かすというようなことはなく、
大抵、一つのポイントにつき30分はほとんど動きません。
そして、胸までディープに浸かっているので
水圧により血流が悪くなってきます。
干潟のウェーディングでは湖のように膝下なんてことはまずありえません。
10分もすればネオプレソックスをはいていようが
発熱素材のソックスはいていようが足の先の感覚を失います。
このように
「釣りを始めるまでに汗をかく」
「釣りをしている間は動かない」
「水圧により血流が悪くなる」

と、かなり過酷な状況が低体温症を引き起こします。
たかが釣りとあまく見ないで
それが東京湾と言えど
下手なアウトドアよりよっぽど過酷な状況下に置かれているということを
もう一度再認識し気を締めましょう。(自分に言ってます笑)


このようにウェーディングの釣りとは登山で言えば
雪山に登ることくらい危険なことであり、
初心者の方がいきなり挑戦することは無謀であるといえます。
熟練者の方も万全な装備と捜査に出る前の天候チェックは必ず行い、
絶対に無理はしないでください。
そして突然の落雷や高波などはどうやっても防ぐ事は出来ないので
覚悟を決めて捜査にあたってください。
守るべき大切なものがある場合、この捜査は行わない事をオススメします。

<対エイ用プロテクター>
パズデザイン/レイガード
少々お高めですが防弾チョッキに使われている素材を採用したものでほぼエイの針は防げるらしいです。これはウェーダーの中に履くタイプの為、きつい人はウェーダーをワンサイズ上げなくてはならない場合があります。
ガストン/エイガード
こちらも上記のものと同じで防弾チョッキに使われている素材を採用したものです。こちらもウェーダーの中に履くタイプなのでウェーダーのサイズを上げなくてはならない場合があります。
リトルオーシャン(LITTLE OCEAN) EIガード
リトルオーシャン(LITTLE OCEAN) EIガード

これは足首のみの簡易的なものですが無いよりマシでしょう。
ガストンのエーガードなんかと組み合わせないと私は不安です。