Method#017
シーポリウェーディングスタイル
ここ数年ソルトウェータールアー人気も高まり、
以前は敷居の高かったはずのウェーディング釣りを
初心者がいきなり挑戦することも多くなっています。
それも雑誌などのメディアの影響によるものと思われますが
どれをとってみても
シーポリのウェーディングスタイルと同じものはありません。
ウェーダーに身を包み同じような釣りをしているように見えますが
シーポリのウェーディングと彼らのウェーディングは
全く異質な釣りと言っても過言ではありません。
というのもそもそも捜査を展開している干潟の種類が全く違います。
水文地形学的には干潟は
「河口干潟」、
「前浜干潟」、
「潟湖干潟(ラグーン)」、
「河川干潟」 と四種類に分別され、
その内釣りのメディアで取り上げられているのは
「河口干潟」の釣りです。
それに対し、シーポリが管轄しているのは
「前浜干潟」です。
河口干潟とは江戸川、荒川、多摩川などに広がる
河口に出来る浅海域のことであり、
前浜干潟とは河口の沖にできる干潟のことで、
東京湾には
「三番瀬(船橋)」、
「番州干潟(木更津)」、
「富津干潟(富津)」
の三つしか残っていません。
河口干潟は河川の影響を強く受けているので地形が把握しやすく、
魚の付き場、移動ルート、フィーディングエリア、潮の動き方などが
容易に想像できます。
当然、それはそれで極めるとなると難しくはありますが
前浜干潟と比べると把握しやすいと言う点でシンプルな釣りであると言えます。
特に目視できる橋脚などの明暗などを利用した釣りや
ブレイク打ちなどは最もシンプルな釣りで
初心者でもコツさえ掴めば簡単に魚を検挙しやすく、
ウェーディングを始めるにはちょうど良いお手軽な釣りだと思います。
それに対し、前浜干潟の釣りは様々な要素が複雑に絡み合い
非常に漠然としていてつかみ所がなく、
いったいどうやって攻めたら、どこから攻めたらよいのか見当もつかないことが多く
熟練者でも初めての現場では全く自分の捜査を展開できない場合が多々あります。
ウェーディング捜査では地形が重要ですから
地形を把握するために陸地を見て水中をイメージします。
しかし、地形を把握しようにも目視できるモノがないのでどうにもこうにもなりません。
そこで感じます。
風、音、潮の流れ、気圧、温度、潮汐、光量、水の匂い、魚っ気
五感をフルに使って全ての要素を取り込み、
イメージします。
魚はこの広大な干潟でどういうルートを通るのか?
どこでいつフィーディング(捕食)するのか?
このように水中をイメージし、魚を感じるには
数多く干潟を歩き、捜査の回数を重ねる他ありません。
河川のように
「陸地がこうだから、きっと地形もこうなっているだろうな」
と
そういった思考がほとんど通用しません。
だから現場に数多く出向き足で把握するほかないのです。
そして前浜干潟でもっとも難しいのが流れの把握です。
河川の場合下げ潮の時は下流に流れますし、
上げ潮の時は比重の重い海水は川底に沿って上流に向かいます。
しかし、前浜干潟の場合はいつも同じ方向に潮が流れることはなく、
風、潮位差、気圧、沿岸流、そういったものの影響を受け、
常に方向を変えます。
この潮を読むということも数多くの経験からしか導き出せません。
毎日漁に出ている漁師さんも
この潮の動きを正確に把握する事は難しいらしいので、
年に多くて100〜200日程度の捜査日数の我々では
正確に潮を把握することは困難を極めます。
そして流れが変われば当然ポイントが変ります。
つまり、前浜干潟の場合、毎日魚の釣れるポイントが変ります。;
以前この場所でオイシイ思いをしたのに今日は駄目だなんてことはしょっちゅうです。
経験の蓄積とはオイシイ思いをした場所に固執することではなく、
オイシイ思いをした状況を記憶し、それを今の状況と比較して
相対的に答えを導き出す事をいいます。
なので記憶すべきはポイントではなく、状況です。
この難しさが私は好きです。
物事の面白さとはそのほとんどが複雑さに起因していると考えています。
私は簡単に達成できる目標よりも、難しい目標の方が好きです。
ですが多くの人の場合、難しいとすぐに諦め簡単な方へと流れていってしまいます。
壁があったら着た道を引き返そうとします。
私は壁があったらその先には何があるんだろうと思うタイプです。
もうお気づきかと思いますが
東京湾に残る最後の前浜干潟の三つの内、
船橋の三番瀬はわたくしShinjiポリスが
木更津の番州干潟はOdakaポリスが
富津の富津干潟はNomaポリスが管轄しています。
このように奇遇にもシーポリは全員前浜干潟で捜査を展開していたわけです。
お互い年齢も仕事も全く違うのに
出合ってすぐに意気投合し、
自分達の捜査スタイルが極めて似ている事に気付き、
お互い一目置く存在だと認識したのも
みな前浜干潟で釣りをしていたことに原因があると思います。
私が見てる世界は雑誌に掲載されているようなちっぽけな世界ではありません。
昨今のあまりにもレベルの低いプロアングラーや雑誌の記事、
ルアーやロッドの設計思想は
今後、確実に私達の方向へパラダイムシフトしてくるでしょう。













