Report2007#003
2007/01/11 シーバス捜査報告書
三日目
車内泊も寒くなければそんなにつらくない。
でも乾燥のせいで朝起きる頃には喉と鼻がやられる。
だから湿らせたタオルをロッドホルダーに吊るしておいた。
効果はテキメンで今朝は随分楽だった。
朝マズメは流入河川が三〜四本ある大き目のサーフ。
河が多いということは魚の付きもいい。
しかし、裏を返せば
漂流するカメも多いということになる。
しばらく釣り歩く。
河口やリップカレントを重点的に探って一時間。
すぐ先にカラスの群れが見えた。
嫌な予感がした。
ハイエナやカラスが群れるということはそこに
何かしらあるということになり、
その何かしらはよくないもののことの方が多い。
例えばどざえもんとか・・・。
近寄ってみるとカラスが一斉に飛びたった。
たとえよくないものだとしても見つけてしまったら通報なり何なりするのが人の務め。
覚悟を決めて近づいてみる。

それは全長一メートルもあろうかという大きなウミガメだった。
あまりにも無残だったので近くにあった木でひっくり返した。
その様子をカラスが遠巻きに眺めていたので小さめの流木をぶんなげた。
それからしばらくキャストをしながら移動していると河口付近で石のようなものを見つけた。
またカメだったらどうしようと思い近づいてみると案の定カメだった。

今回のはサイズが小さくひっくり返ってぴくりともしていないので
ご臨終してしまっているようだった。
「可哀想に」
そう思って軽く足でひっくり返したらぴくりぴくりと動きだした。
カメというのは下手に生命力があるからカラスに突っつかれて怪我をしていようとも炎天下でひっくり返っていようとも
なかなかお迎えが来ない。
こいつにとっては地獄のような数日だっただろう。
そう考えるとイワシのようにすぐに逝ってしまう生き物の方が案外幸せなのかもしれない。
それからしばらくしてまたカメに遭遇。
手には二つのカメ。

これ以上捜査を続けることはできなかった。
お昼は行きつけの温泉。

今回も当然貸切。
昼飯はまたラーメン。
高カロリー、高タンパク、高塩分は望むところだ。

今回は館山の
”めん楽亭”
頼んだのはまたもチャーシューメン。
スープはチャーシューの煮汁をにぼしスープで割ったような味。
トッピングにタマネギが乗っているので竹岡式かもしれない。
ダシの取り方がうまくタマネギの甘味も加わってなかなかの味。
しかし、このスープにしては麺が細いし全体的に輪郭がぼやけていて大雑把。
何より価格設定が高すぎ。
星三つ。
やはり館山で一番おすすめのラーメン屋は”華の蔵”の支店で間違いないだろう。
相も変らず小春日和。
車の窓を全開にして
クリス・ポッター
をBGMに南房のサーフをチェックする。
途中よさそうな現場があったのでそこでウェーダーを干したりカメの世話をしていたら
幾人もの人に話しかけられる。
ものすごくかわいい子供とラブを連れて散歩をしていた船橋出身の綺麗なお姉さんや、
千倉生まれ千倉育ちの還暦を迎えたおじさん、
その他ジョギングやウェーキングをしていた方々。
なんだろう。
いくら平日の真っ昼間からこんなところでぷらぷらしているからといって
ここまでみんなに話しかけられるものだろうか。
南国のような陽気のところだから人も開放的なのだろうか。
そのとき話しかけられたルアー釣りのおじさんが今日はここでやるとのことなので
私もご同行することにした。
おじさんは還暦を向かえ、これで毎日釣りができると思ったが
いざやってみるとそれはそれで退屈なことらしい。
私が
「僕も早く隠居生活したいです!」
と元気よく答えたら
「バカいってんでねぇっぺよ。」
と一括されてしまった。
でもこんなところで綺麗な嫁さんとかわいい子供と犬さえ居れば(あのお姉さんのように)
あとは釣りさえ出来ればなにも望まない。
夕マヅメは端っこから釣り始め途中でおじさんと合流。
ただの釣り好きのおじさんだとおもっていたら
「この払い出しから50mくらい先にブレイクがあるからそこねらってんだっぺ」
横文字ばりばりで分かってらっしゃる。
普通に若いアングラーとしゃべっているような感覚。
しかも私の使っているタックルに興味津々で本当に釣りが好きなんだということが伝わってくる。
「8.6フィート?おれなんて11ftだっぺよ。サーフでやるならこれくらいなきゃ。」
「ラインはPE2号?おれなんて1.2号だっぺよ。」
「お?それはジップのモンスターなんとかってやつだっぺ?」(正しくはモンスーンブレイカーです)
還暦を迎えてもこのバイタリティ。
こんなオヤジになりたいと思った。
ただね、私とオジサンでは体力が違うし、ルーミスの反発力をもってすれば
飛距離は断然僕の方が上ですよ。
そう喉から出掛かっていたが笑顔で返した。
日が落ち薄っすらと暗くなってからリップカレントをジップベイツのモンスーン・ブレイカーで攻めていると
反応があった。

ヒラメ47cm。
あまり大きくなかったけど肉厚で見るからに美味そうな魚だった。
小さい頃お祖父ちゃんに
「ヒラメは一尾釣れたらその場所にはもう一尾居るぞなもし」
と聞かされていたのですぐに捜査に戻ろうとしたが
オジサンが駆け寄ってきてしばらく談笑。
そうしている内に日が暮れた。
「明日も一緒にやるっぺよ!」
そう言い残しおじさんは原チャリで夕暮れの浜辺に消えていった。
そして夜はまた独り宴会。

昼に館山のスーパーに寄ったときに購入した千葉の地酒で一杯。
散々千葉の地酒を飲んできて正直千葉に美味い酒なんてないと思っていたが、
この鴨川の亀田酒造の”寿萬亀”というお酒はふくよかな味わいで案外悪くない。
和久井酒造の酒と飲み比べると
さすがに荒さが目立ったがこの価格でこれなら上出来。
ただし、醸造アルコールが鼻に付くので熱燗がいい。
安酒の方が気分よく酔える時がある。
今日はそんなときかもしれない。
- タックルデータ
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- ルアー:モンスーンブレイカー
- ロッド:STR1025、セルテート2500、PE25lb+フロロ25lb